おニューのHONDA N-VANでロングドライブしてきました! 今回から数回に分けて長距離走行レビューを日記風にお送りいたします。

まえがき

10月某日、150Km ほど離れたところにある田舎町に住む親戚に会いに行くことになった。
会うのは実に8年ぶりである。

ときどき電話で話すことはあったし、会いたくない訳でもなかった。ただ、何となく会わないでいたら、8年も経ってしまっていたのだ。

今回会いに行くきっかけとなったのは、間違いなくHONDA N-VANだ。軽貨物でありながらドライバーファーストを謳う、稀有なクルマである。

新車購入したN-VANの実力を確かめたかった私は、どこか遠くに行きたくて仕方がなかった。そんな時、ふと思ったのだ。

「しばらく会ってない親戚に、N-VANに乗って会いに行ったらどうだろうか」と。

片道150Km、往復で300Km。日帰り弾丸ツアーには実にちょうど良い距離である。

私のN-VANのカタログ燃費は、今どきのクルマにしてはちょっとビミョーな21.2Km/L。燃料タンク容量は25Lだから、300Km程度の距離なら無給油でイケるはずだ。

多く見積もっても、ガソリンが20Lあればいい。ガソリンが高騰しているといっても、たかだか4,000円程度だ。

よし、行こう! それも、明日行こう!

大のめんどくさがりの私は、あまり前もって計画すると億劫になってしまう。だから、行くのは明日だ。明日ならば気が変わることもあるまい。

ただ、さすがに自分ひとりで会いに行くのは流石に気恥ずかしかったので、親と二人で行くことにした。

出発の朝

出発の日。

早々に身支度を済ませ、リモコンキーをポケットに忍ばせてN-VANが待つガレージへと向かう。運転席のドアグリップにあるボタンを押すと、「ピッ」という電子音と共にドアロックが解除された。

ちなみに、N-VANのドアのロック・アンロック音は、これまで私が所有したどのクルマよりも大きい。ドアロックの金具が通常の車種よりも大型なのか、それとも静音に全く気を遣っていないのか?

うるさい理由は定かではないが、とにかく大きな音がする。ここは素直に改善ポイントだと思う。

ドアを開け、運転席に乗り込む。左手でシートベルトを引き出し、金具をバックルにエイヤと差し込んだ。

バックルはお尻の裏側に回り込むような位置にあり、決して太っていない私でも、差し込みに少し苦労する。太っていたり、厚手のコートを着ていたりすると、もっと苦労することになるだろう。購入する前には気づきにくいポイントだと思うので、読んでおられる方は注意してほしい。

運転席のドアを閉めると、「フィーン」という安っぽい電子音と共に、メーター横のマルチインフォメーションディスプレイにホンダのロゴが浮き上がる。いわゆる「ウェルカム機能」である。

続いて、足踏み式のパーキングブレーキを解除し、フットブレーキを踏みながらエンジンスタートボタンを押すと、「プシュルルン」という控えめな音とともにエンジンが目覚めた。

N-VANのタコメーターとスピードメーターの針は、エンジンの始動と共に一度リミットまで駆け上がるようになっている。「ニードルスイープ」という演出である。

VWのオーナーなら、この演出の価値が分かるはずだ。

一部の車種を除き、この機能を有効化するためには、1万円もの費用がかかる。それが軽貨物に用意されているというのだから驚きである。

この「ウェルカム機能」といい、N-VANには貨物車にはおよそ不必要と思われる機能が少なくない。元々はN-BOXの機能で、省く手間すら惜しいという事なのだと思う。

ホビーユースで購入した私にとっては、まさに棚ボタな話である。

ただ、この機能分のコストは当然車両価格に含まれている訳で、「とにかく安いクルマが必要なんだ!」という貨物車本来のユーザーにとっては、意外と有難迷惑な話なのかもしれない。

そんなことを考えながら、アクセルをほんの少し煽り、ガレージを出る。20Km/hに到達した辺りで、「ガチャッ」という金属音が車内にけたたましく響いた。一体何の音だろう?

その音の正体は、なんと車速連動式ドアロックであった。これまた貨物車にはふさわしくない贅沢装備だ。400万もするポロGTIにだって付いていないというのに!

市街地では優等生

N-VANには二つの走行モードが用意されている。通常モードと燃費重視のECON モードだ。

環境に優しいN-VANは、エンジン始動時は必ずECONモードで目覚めるようにプログラムされている。「パワーこそ全て」が身上の私にとっては、お節介極まりない制御である。

しかし、意外や意外。E-CONモードであっても、平坦な道であれば、パワー不足を微塵も感じさせないのである。

アクセルペダルをほとんど踏まなくても、普通に周囲をリードできるレベルの加速が可能だ。いわゆる「ドッカンアクセル」的な制御でもないのに、である。

加速中、エンジン回転数は2,000rpm前後にキープされている。そのため、エンジン音はほとんど気にならないといって良い。

N-VANのエンジン音は、三気筒らしいビートの効いた中低音。カムシャフト周りのメカニカルノイズは完全にカットされていて、不快さは一切ない。

オマケに、信号待ちではお行儀よくアイドリングストップもしてくれる。ストップからの復帰マナーもすこぶる良好で、アイドリングストップ嫌いの親も「イイね!」と言うほどだ。

貨物車としての合格点を十分に越え、「よくできました」と素直に褒められるレベルである。

車酔いの恐怖

国道が見えてきた。目的地までは、国道をひたすら道なりに進むだけでいい。

ここまでは万全のN-VANであったが、ひとつだけ気がかりなことがある。それは、私がめちゃくちゃ車酔いしやすい体質であるということだ。

とりわけ横揺れが苦手で、ポロGTIに乗っている時ですら、峠をそこそこのペースで走ると酔ってしまう。足回りが貧弱なクルマだと一発でアウトだ。

N-VANは、2mに迫ろうかという超ハイルーフバンである。軽自動車であるがゆえに、車幅と車高のバランスは、お世辞にも良いとは言えない。はっきり言って横揺れしやすいクルマなのだ。

しかしながら、それは設計上の欠陥ではない。ただ物理の法則に従っているだけである。それだけは誤解しないでいただきたい。

そんなことを考えているうちに、道中にいくつもある峠道の、最初のひとつがやってきた。果たして、車酔いせずに越えられるのだろうか?

不安だ。

新車にリバースするなんてことは、絶対に避けなければならない。周囲の迷惑にならない程度にスピードを抑えて走るために、クルマを一番左の車線へと移動させた。ここはカーブが緩やかだから、ここで酔うことはないだろう。

・・・たぶん。

つづきは次回

とりあえず、長くなってきたのでここで中断します。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました! 続きも読んでいただけると嬉しいです(´∀`)